着物や浴衣を着る機会が増える中で、「着物をどうやって持ち運べばいいの?」「100均のバッグでも大丈夫?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
美容院や着付け教室、旅行先での着付けなど、着物を持ち運ぶシーンは意外と多いものです。
今回は、着物の持ち運びに適したバッグの選び方から、100均グッズの活用法、注意すべきポイントまで詳しく解説していきます。
着物の持ち運びバッグとは

着物専用バッグの特徴
着物の持ち運びバッグとは、着物や帯、小物類を安全かつ美しい状態で運ぶために設計された専用バッグのことです。
一般的なバッグとは異なり、着物特有のニーズに対応した機能を持っています。
主な特徴:
- 大きなサイズ:着物を畳んだ状態で収納できる十分な容量
- 型崩れ防止:硬めの素材や芯材で形状を保持
- 仕切り機能:着物、帯、小物を分けて収納
- 防水・防汚性:大切な着物を汚れから守る
- 持ち運びやすさ:ハンドルやショルダーストラップ付き
持ち運びが必要なシーン
着付けサロンや美容院:
- 成人式や結婚式などの特別な日
- 卒業式や入学式
- お茶会や結納などの正式な場
着付け教室:
- 定期的な稽古
- 着付け検定の受験
- 着付け師の資格取得
旅行先での着付け:
- 京都や奈良での観光
- 温泉旅館での食事
- 写真撮影
イベント参加:
- 文化祭や学園祭
- 地域のお祭り
- 着物でのお出かけ
着物の正しい持ち運び方法

基本の畳み方
1. 本畳み(ほんだたみ) 着物を正しく畳む基本的な方法で、シワや型崩れを最小限に抑えます。
手順:
- 着物を平らな場所に広げる
- 左右の身頃を重ね合わせる
- 袖を身頃の上に折り返す
- 裾から胸元に向かって三つ折りにする
- 畳み紙を挟んでシワを防ぐ
2. 袖畳み(そでだたみ) 持ち運び時により コンパクトにしたい場合の畳み方です。
帯の畳み方
名古屋帯:
- 胴に巻く部分を内側にして巻く
- お太鼓部分を外側に重ねる
- 帯芯を使って形を保持
袋帯:
- 全体を蛇腹状に折りたたむ
- 重い部分が下になるよう配置
- 帯締めで軽く固定
小物類の整理
必需品リスト:
- 長襦袢
- 半衿
- 伊達締め
- 腰紐(4〜5本)
- 帯板・帯枕
- 足袋
- 草履・下駄
整理のコツ:
- 小物類は小分け袋に入れる
- 壊れやすいものは緩衝材で保護
- 忘れ物防止のチェックリストを作成
100均バッグのメリット・デメリット
100均バッグを利用するメリット
1. 圧倒的なコストパフォーマンス
専用バッグが5,000〜20,000円するのに対し、100均バッグなら110〜330円で購入可能です。
2. 手軽に購入できる
全国どこでも入手でき、急な持ち運びが必要になった際にも対応できます。
3. 種類が豊富
サイズや形状、素材の選択肢が多く、用途に応じて選べます。
4. 気軽に使い分けできる
汚れても気にならない価格のため、シーンに応じて使い分けが可能です。
5. 軽量
専用品に比べて軽いものが多く、持ち運び時の負担が少なくなります。
100均バッグを利用するデメリット
1. 耐久性に限界
長期間の使用や重い荷物には不向きで、破損のリスクがあります。
2. 防水性能が不十分
急な雨や水濡れに対する保護機能が弱い場合があります。
3. サイズの制限
大きな着物や複数枚の持ち運びには対応しきれない場合があります。
4. 仕切り機能が少ない
着物と小物を分けて収納する機能が不十分なことがあります。
5. 見た目の問題
専用品に比べて見栄えが劣る場合があり、格式のある場では適さない場合も。
100均で購入できるおすすめグッズ
1. 大容量トートバッグ
特徴:
- A3サイズ以上の大きさ
- マチが広く収納力抜群
- 軽量で持ち運びやすい
選び方のポイント:
- 底板がしっかりしているもの
- 持ち手が長めで肩掛けできるもの
- ファスナー付きで中身が見えないもの
2. 衣類圧縮袋
活用方法:
- 着物をコンパクトに収納
- 防水効果で汚れを防ぐ
- 空気を抜いて省スペース化
注意点:
- 長時間の圧縮はシワの原因
- 絹素材には使用を避ける
3. 小分け用ポーチ・袋
用途:
- 腰紐や伊達締めの収納
- 足袋や草履の保護
- アクセサリーや髪飾りの整理
おすすめタイプ:
- 透明で中身が見えるもの
- ファスナー付きで開閉しやすいもの
- 様々なサイズを揃える
4. 緩衝材・梱包材
活用場面:
- 帯枕や帯板の保護
- 草履の型崩れ防止
- バッグ内での荷物の固定
種類:
- エアクッション
- 発泡スチロールシート
- 不織布
5. 防水カバー・レインカバー
必要性:
- 突然の雨から着物を守る
- 汚れの付着を防ぐ
- 安心して持ち運べる
100均一グッズで代用する場合の注意ポイント
1. 重量制限を守る
100均バッグの限界:
- 一般的に5kg程度が上限
- 重い帯や複数枚の着物には不向き
- 持ち手の強度を事前にチェック
対策:
- 荷物を分散して複数のバッグに分ける
- 重い物は底に配置
- 持ち運び距離を考慮した荷造り
2. 防水対策は必須
雨天時のリスク:
- 着物への水濡れ
- 色移りや縮みの可能性
- 修復困難な損傷
対策方法:
- 防水スプレーの活用
- ビニール袋での二重包装
- 雨天時は専用の防水バッグを使用
3. シワ対策を忘れずに
シワの原因:
- 不適切な畳み方
- 長時間の圧迫
- 移動中の振動
予防策:
- 畳み紙の活用
- 適度な余裕を持った収納
- 到着後すぐに取り出して確認
4. 小物の紛失防止
紛失しやすいもの:
- 腰紐
- 帯締め・帯揚げ
- 髪飾りなどの小物
対策:
- 小分け袋で整理
- チェックリストの作成
- 予備を持参
専用品の着物持ち運びバッグとの違い
専用品の特徴
1. 設計の違い
- 着物の寸法に合わせた最適サイズ
- 型崩れを防ぐ硬質素材
- 着物専用の仕切りやポケット
2. 素材の品質
- 高品質な防水素材
- 耐久性に優れた縫製
- 長期使用に耐える作り
3. 機能性
- キャリーバッグタイプ
- ショルダーストラップの調整機能
- 小物専用ポケットの充実
価格帯による違い
- 基本的な収納機能
- シンプルなデザイン
- 一般的な素材使用
- 多機能な収納システム
- 高品質素材の使用
- 美しいデザイン
- 最高級素材
- 職人による手作り
- オーダーメイド対応
使用頻度による選択
年に1〜2回の使用: 100均バッグで十分対応可能
月に数回の使用: エントリーモデルの専用品がおすすめ
週に数回の使用: ミドルクラス以上の専用品が必要
シーン別の使い分け
1. 着付け教室・稽古
おすすめ:100均の大容量トートバッグ
理由:
- 頻繁な出し入れがある
- 汚れても気にならない
- 軽量で通いやすい
追加アイテム:
- 小分け用ポーチ
- 着物用ハンガー
- チェックリスト
2. 特別な行事(成人式・結婚式など)
おすすめ:専用品または高品質な代替品
理由:
- 一生に一度の大切な日
- 高価な着物を安全に運ぶ
- 見た目も重要
注意点:
- 事前の動作確認
- 予備の持参
- 早めの準備
3. 旅行・観光
おすすめ:100均バッグ + 防水対策
理由:
- 移動距離が長い
- 天候の変化に対応
- 荷物を軽くしたい
必須アイテム:
- 防水カバー
- 圧縮袋
- 緊急時の連絡先
4. お茶会・文化的行事
おすすめ:専用品またはそれに準ずるもの
理由:
- 格式を重んじる場
- 他の参加者への配慮
- 着物の価値に見合った扱い
選び方:
- シンプルで上品なデザイン
- 音が出ない素材
- 適切なサイズ
5. 写真撮影・レンタル
おすすめ:100均バッグで十分
理由:
- 一時的な使用
- コストを抑えたい
- 汚れのリスクが少ない
ポイント:
- 撮影場所での扱いやすさ
- 必要最小限の荷物
- 迅速な着替えができる工夫
まとめ
着物の持ち運びバッグとして100均グッズを活用することは、使用頻度や用途によっては十分に実用的な選択肢です。
特に着付け教室への通学や観光での着物体験など、日常的な使用では大きなメリットがあります。
100均バッグを選ぶべきケース:
- 使用頻度が低い(年に数回程度)
- コストを抑えたい
- 気軽に着物を楽しみたい
- 練習用や普段着の着物
専用品を選ぶべきケース:
- 高価な着物を扱う
- 頻繁に使用する
- 特別な行事で使用する
- 長期間使用したい
大切なのは、着物を安全に美しい状態で運ぶことです。100均グッズを上手に活用しながら、必要に応じて専用品への投資も検討し、着物ライフを存分に楽しみましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました♡